若林ケンは 人知れない女の地獄を見てきたに違いない

男からはしごをはずされた女のつぶやき

目の前にどんなに素晴らしい男が現れても 悪い男へ走る女の性

幸せの絶頂から身を滅ぼした女

そして街角に立つ女

若林ケンはそういう女の気持ちの語り部である

WEB VIDEO ペイトンプレイス 2
若林ケンはもう 人生の半分をここで過ごしている

そして、いつのまにやらこの場末(若林はバマツと言う)で最も古い店になってしまった

元々”立ちんぼ”の並ぶミスティーなところにあって、そのドアを開けると季節や気分で取り替えられた絵画に囲まれて 客や友が座っている

何年も。時には20年以上も無沙汰していた客が訪れる 成功して忙殺されていた者 バブルでなにもかも失った者、結婚した女、そして別れた女 みんなここを忘れられない

「ワー懐かしい! よく来てくれたね」、若林は彼らを力一杯抱きしめて喜ぶ ちょっと恥ずかし顔の訪問者は、いつの間にかあの時とちっとも変わらない顔に戻って、その頃よく唄ってた歌を唄う

WEB VIDEO ペイトンプレイス 1
番組で知って CDを聞いて 若林ケンに一目会いたくなって探し訪ねる人は多い

歌舞伎町の最も端にある ペイトンプレイスでは毎夜、彼が数曲を聴かせる

ステージとは違った親密な小部屋(シャンソニエ)で聴くと 誰もが自分の人生の走馬燈を見る

たまにはジャズや演歌を若林節で歌うことがある ペイトンプレイスでしか聞けない歌もここの魅力の一つ

2006年3月22日 「NHKニュース10」 を皮切りに多くのメディアに露出している

これまでに彼の存在を知らなかった人達

シャンソンの中に歌い込まれた人の心根に初めて出会った人達

これらTVメディアに偶然遭遇した人達の感動を呼び起こすその陰で、番組プロデューサーにはじまり、取材者やキャスター、TVクルーの彼らもが"若林シャンソン"のとりこになっていく

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